2005-09-02(Fri) [長年日記] [Edit]
■1
PofEAA読書会:第6回参加申込受付のお報せ
2005/09/11(Sun.)の13:00に開催する、PofEAA読書会第6回の申込受付を開始しました。
2005-09-03(Sat) インターネット物理モデルは休憩中だった [長年日記] [Edit]
■1 XP祭り2005
「Choose The Red Pill」Tシャツを着て、Rabbitを使い、Rubyについてライトニングトークスしてきた。資料(PNG化したHTML。検閲済)を置いておきます:
Rabbitのトークスタイマー、ウサギとカメはかなり好評だった。須藤さんありがとう。
今日はもうクタクタなんだけれども、3点だけ。
- "関さん"の口から「フレームワークチーム」と「アプリチーム」に分けるな、という発言が聞けてすごく嬉しかった。
- 助田さんからRubyUnitとTest::Unitの話を聞けた
- id:agtさんと握手ッッ!!!
心残り
せっかく日本科学未来館でRubyのことをアピールしたのに、インターネット物理モデルがRubyで動いていることを言うのを忘れた。最後15秒あまったから言えたのに……。
今は忘れられた詩人が、ずっと昔ローハンでこう歌った。
あの「究極」と「プログラミング」とは、何処へいった? タスク分割されたストーリーはいまどこに? ペアプロと共同所有は、シンプルにリファクタリングされたコードは、どこに? テストコードをかなでた指は、赤く燃えたxUnitの火は? 受入テストはどこに? 常時結合されたリポジトリと持続可能なペースは、どこへいった? すべては過ぎていった、山に降る雨のように、草原を吹く風のように……
2005-09-04(Sun) [長年日記] [Edit]
■1 技術者・研究者のためのすぐに役立つプレゼンテーション技術
kdさん主催(GJ!)、平林純さんによるプレゼンについてのプレゼン。当日の内容とか雰囲気は以下を参照:
less is more...but, less is bore.
プレゼンテーションには2種類ある。人を動かすものと、そうでないもの。ここのところ色んな人のプレゼンを見る機会があるので、とてもとても参考になった。4時間以上に渡って200枚以上のスライドが展開されたのだけれど、例がどれもいちいち具体的なので、説得力が違う。
以下の箇条書きは個人的なメモ。平林さんが言ったとかそーゆううものではない。
- テクニカル・プレゼンは単なる「報告」ではない。聴衆に「納得」してもらう必要がある。
- 納得してもらうためにはストーリーを聴衆へと伝えなければならない。
- 「ストーリーを伝える」ためにはデータとデータを滑らかに繋がなければならない。
- データとデータの繋がりがストーリー。論理重要。
- プレゼン中の時間の使い方には2種類ある。スライドそのものを説明する時間と、ストーリーを語る時間。
- 「スライドそのもの」についての説明は聴衆とって価値を付与しない。
- プレゼンテータはわかりやすくするための手間を惜しむな。色よりも形状。立体化。
- 「手間」と思っているものはほんとうに「手間」か?
- ……You think that's air you're breathing now?
- 「聴衆へ伝える」という目的のためには手段を選ぶな。
- 動画が有効なら動画を使うべし。場合によっては3DCGだって使うぞ。
- 聴衆に対する自然な視線誘導(Zの法則)
- スライドの上手(かみて)と下手(しもて)
- 聴衆の見たいところに自分の見せたいものを置く
- レーザーポインタは使うな、というかレーザーポインタ不要なスライドを用意せよ(指し棒はOK)
- プレゼンのときは目と手が大事。
- 最後は必ず決めセリフを。
……レッシグたんのプレゼンは、「スライドは簡潔に、喋りは饒舌に」という「高橋メソッドのこころ」を踏まえつつ、動画や音楽も適宜利用していた。平林メソッドとの合わせ技でもあったわけだ。
■2 Rabbitでもできるといいな
平林さんの話を聞きながら、Rabbitにもあったらいいなーと思ったものいくつか。……こーゆう「お客さんの要望」はどこへ投げるべきなんですかね? BTS??
スライド表示を一時的に無効にする
PowerPointは、'b'でプレゼンをブラックアウト、'w'でホワイトアウトできる(もう一度押せば復帰)。プレゼンターに注意を向けてもらいたい場合には、これらも効果的に使うべし、との平林さんのお言葉(hirax says...)。Rabbitでサポートできるのかしらん。'b'は「前のページ」に割り当てられちゃってるので'B'と'W'とかでも良いのだけれど。
スライドを1アイテムずつ表示させる
いちどにスライドの全てを見せない(hirax says...)。聴衆に対する自然な視線誘導の演出。表示をフェードできるとギミック的にイイな、と私は思うのだけれども、どうか。
動画の埋め込みは……要望する前にDebianで動画編集ってどーすれば。
2005-09-06(Tue) [長年日記] [Edit]
■1 『るびま』0009号
1周年おめでとうございます。XP祭りでの私のライトニングトークスのことがちょっとだけ載ってる!!!……って、書いてくれたのはid:babieさんだそうですが、掲載されることが大事なのだ。
オブジェクト倶楽部から(打診があったにもかかわらず)祝辞を寄せてないのが残念。(後からねじ込んでもらった:2005/09/09)
2005-09-07(Wed) [長年日記] [Edit]
■1 『アジャイル勘違い集』
『るびま』に1周年の祝辞を寄せていない(寄せた!!:2005/09/09)オブジェクト倶楽部が公開した『アジャイル勘違い集』の「ドキュメントを書かない?」という項目の文章を書いた。字数制限が厳しかったので価値観しか述べられてない。
アジャイルとドキュメントとの関係については、少し前にid:kuranukiさんが、より具体的に書いてます。
2005-09-08(Thu) [長年日記] [Edit]
■1 『日経Linux』2005年10月号
「まつもと直伝 プログラミングのオキテ(第6回)は「メタプログラミング」。内容に即していえば「(言語内DSLのための)メタプログラミング」といった趣き。これは先日の「Ruby is DSL.」という私の主張をMatzが裏書きするものである!! と言ってしまおう。Railsへの言及も勿論あるよ。
『日経Linux』のまつもとさんの連載は、Rubyの文法ぐらいはなんとなく理解したけど「Rubyらしさ」ってどんななのよ、と思っている人にとって、量質ともに丁度良いと思う。『UNIX USER』の連載とは対照的。
ちなみに『self.wake_up :from => "The Matrix"』は「なぜ気づかない」と読みます。Rabbitのスライドのサブタイトルとして入れる予定だったんだけど、入ってないのは何故だっけ——ああそうだ。日付と場所を入れるのにsubtitleを使ったんだった。
と、いうわけで:
■2 Rabbitのタイトルスライドのメタ情報に追加希望
ほんとただのお客さんでごめんなさい。いまだにRabbit本体のソースは読んでないです。
- 発表日付と場所を示すものをタイトルスライドに入れたい
- :dateと:place(:location?)とかかなあ。
- :whenと:whereとかもあるかなあ。
2005-09-09(Fri) [長年日記] [Edit]
■1 Rubyist Magazine - 【一周年記念企画】 Rubyist Magazine へのたより(オブジェクト倶楽部)
id:babieさんから「今からでも追記できるよ。」とありがたいお言葉をいただいたので、Mr.フライパンにコメントを依頼してささださんに泣きついたら瞬殺で追記された。ありがとうございます。
2005-09-11(Sun) [長年日記] [Edit]
■1 PofEAA読書会: 第6回
取りまとめの人の感想
- 12時過ぎにオージスさんに到着。いつもの集合場所がフリマになってる……。まあいいや。id:aufhebenさんの助けを借りて、会議室のレイアウトを大幅に変更。ファシリティ重要。懇親会で配置が良いと褒められた。うれしい。
- 今日のTシャツは「KING OF BUGS」。atronさんのTシャツはバックプリントがGPL2(!)のGNU Tシャツだった。かっこいい。
- 参加者が35名を越えて、ポジションペーパーはもはや何か別ものに変質。次回から配布方法をpushからpullに変更しよう。時間が勿体なさすぎる。35人 x 20分だと、11.6人時間の損失!!
- 単語を使ったプレゼンで聴衆をひきつける高橋さんのポジションペーパー(?)の発表を制限時間の2分が来たので終了させた。規律重要。
- 今回はウロが出てタイムキープ失敗。WRさんのはともかく(w、ひがさんが充分に話すことができなかったのはいかん。
- 頑張って(?)発言してくれている(ようにみえた)人が何名かいた。うれしい。
- 今回の資料は公開されてもよさそうだけど。
- オージスな皆さんが後片づけを引き受けてくださった。ありがとうございます。
- きしださんが独自に座席表を作成していた。名札シール程度は導入すべきか。
Transaction ScriptとDomain Model
「ドメイン」に接する設計態度が「askなのかtellなのか」が基準かなあ、と思っていることを今思い出した。「ドメインモデル」と呼んでいても、それがask,ask,askであればたぶんそのドメインモデルは貧血症。
Table Module
福井さんによるMS製品の宣伝(w 書籍だけでは漠然としたイメージしか掴めていなかったTable Moduleの動くデモを見ることができてよかった。
Service Layer
久々に自分のPofEAA原著のService Layerの章を開いたら、なんかすごく一杯線とか丸囲みとかしてある。id:ogijunさんがサマリで指摘しているポイントはほぼ全部、チェックがしてあった。2年ぐらい前の私はどうやらService Layerにご執心だったらしい。
おそらく、
- published APIであることを明示している
- ドメインモデルを利用する「アプリケーションロジック」の配置場所である
- トランザクション境界である
というあたりが気に入っているんだと思う。「みんな、ふつうこう作るよね」とid:ogijunさんが言っていたが「ふつう」重要。
本文中にもあるけれど、Service Layerというのは、Service Layerという名前が重要。J2EEパターンのSession Facadeはパターンの動機がリモートコールの回数を減らすことであるのに対し、Service Layerでは「ドメインのAPIを明示すること」が動機になっている。ここ重要。
WRサーガ
「補償トランザクション」という語彙を得ることができたのは大きい。そろそろネタ元の書籍も買わないとな……。
懇親会
- いつも途中で帰っていたのだけれど、今日は会計まで居た。もうわけわかりません。高橋さんに「来週Rubyのコード持ってこい」と言われたり、きしださん(九州から!)から計算不可能で自由意志な話を聞いたり、artonさんとDSLの話をしたり。
2005-09-27(Tue) [長年日記] [Edit]
■1
「お誕生日ばんざい」
「息子の存在する世界」が誕生してから1年が経過した。せかいがへいわでありますように。「お誕生日ばんざい」とは松田センセイのお言葉:
……人間は自分の生命を生きるのだ。いきいきと、楽しく生きるのだ。 生命をくみたてる個々の特徴、たとえば小食、たとえばたんがたまりやすい、 がどうあろうと、生命をいきいきと楽しく生かすことに支障がなければ、 意に介することはない。 小食をなおすために生きるな、たんをとるために生きるな。 ……近所の奥さんは遺伝子のちがう子を育てているのだ。 長い間かけて自分流に成功しているのを初対面の医者に何がわかる。 「なんじはなんじの道をすすめ。人びとをしていうにまかせよ。」(ダンテ)
松田道雄ふうに書きこむスレなんてのもある。
息子:Quarterly Reflection(4)
- ちょっとだけ歩けるようになった。
- 心が動くと「おっ」とか言うようになった。独り言が増えてきた。
- 基準がよくわからないが、指さすことがある。
- 上野動物園で好きな動物はスッポンモドキ。怖い動物は白クマ(激泣きした)。
- ケータイの液晶を破壊した。
- はじめての誕生日プレゼントは「わくわくコースター」にしてみた。すさまじく夢中。
2005-09-29(Thu) 送別会の練習 [長年日記] [Edit]
■1 秋の夜長のクレージーキャッツ祭
本日キタコレ。引き続きまだまだ観れないんだけど。
『クレージーキャッツ 無責任ボックス』
BOXのジャケがヤバイ。琴線に触れまくり。中のDVDのジャケにも期待したのだが、ふつうだった。
『クレージーキャッツ結成10周年記念映画 大冒険』
これもジャケが個人的にヤバイ。飽かず眺めてしまう。
2005-09-30(Fri) そのペアプロに用がある [長年日記] [Edit]
■1 さらば、コーチ
t-wadaさん、15ヶ月間お疲れさまでした。これまでの間、ありがとうございました。そしてこれからもよろしく。初日の最初の最初のペアプロの衝撃がつい先日のことのように思い起される。あの瞬間は正しく「事件」と呼ぶべき出来事であり、私じしんのこの1年のアティテュードを決定的なものとした。
仮に、仮にですよ。仮に本当にですね……いやもうやめましょうこんな話は。 僕は今、こうやって通っているテストが全てなんですよ。 だからね、仮にとか、もしもとか、もうやめようじゃありませんか。 僕はテストを書くわけですよ、だから! すべてを握りしめて 僕はどこへ行く 君よ なぜに泣いているの 優しげな実装はいつだって APIの奥ではずっと光ってるんだぜ 声が聞こえたのは あのレイヤのほとりの方 忘れはしないよ あなたとのペアプロという名のケモノ道 テスト流れて コードが生まれる コードが生まれて バイナリになる いつも僕らだけ いつも損してる いつも騙されてる そんな気がしていたの 僕はあなたの事を ずっと愛してるなら 僕はあなたの事を 失うわけはないだろう すべてをなくした僕と すべてを許した君さ 今 手に握ってるものは ペアプロという名のケモノ道 テスト流れて コードが生まれる コードが生まれて バイナリになる 愛しき日々よ 「俺は言葉にできないからテストを書くわけですよ!!!」 ……子供の頃に思っていたアーキテクチャは、僕は結局なにも叶いませんでした。 だから何だっていうんスか。 僕にはTDDという設計技法があって、リファクタリングという習慣があって、 だから君を! 愛おしき君を! そういう事なんですよ僕は!! それだけなんだ僕は!! すべて忘れて!! ただただ!!! グリーンバーの為に生きる男!!!! すべてをなくした僕と すべてを許した君さ 今 手に握ってるものは ペアプロという名のケモノ道 テスト流れて コードが生まれる コードが生まれて バイナリになって—— いまコードが! あなたのコードが! 俺の胸に! 俺の胸に突き刺して Yeah Yeah Yeah そう! 尊いものになってるぜ Baby ……そして、そのペアプロにだけ用がありました
■2 『Enterprise Integration with Ruby』を近ぢか「出版」するよ、
『達人Ajax』ともども、とDave"達人"Thomasからアナウンス。Rubyでエンタープライズ統合!! キタコレ?!!!
「達人フライデー」(PDF版のみにてお求めやすい価格にて提供)への言及があるけれど、それはこの2冊が達人フライデーだということじゃなくて、PDFによる「はやめにこまめに」なリリースが、読者も執筆者のあいだにWin-Winの関係をもたらす、という話の引き合いに出てるだけなんだよね? 興奮してちゃんと読みこめてない。ふんがー。続報に期待っ。
Ruby言語とRuby技術
星さんのJava言語(Java Language)とJava技術(Java Technology)の区別への言及に倣ってこう書いてみた。
私は『EI /w Ruby』に「Ruby技術(Rubyテクノロジ)」という観点からどーゆう記述が出てくるのかなあ、というところに期待しているのだな、と気づいた。
リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営(Henrik Kniberg/角谷 信太郎/市谷 聡啓/藤原 大)
『なるほどUnixプロセス ― Rubyで学ぶUnixの基礎』
SCRUM BOOT CAMP THE BOOK(西村 直人/永瀬 美穂/吉羽 龍太郎)
実践テスト駆動開発 テストに導かれてオブジェクト指向ソフトウェアを育てる(Steve Freeman/Nat Pryce/和智 右桂/高木 正弘)
The RSpec Book (Professional Ruby Series)(David Chelimsky/Dave Astels/Zach Dennis/角谷 信太郎/豊田 祐司/株式会社クイープ)
アジャイルサムライ−達人開発者への道−(Jonathan Rasmusson/西村 直人/角谷 信太郎/近藤 修平/角掛 拓未)
アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~(Mike Cohn/マイク コーン/安井 力/角谷 信太郎)
インターフェイス指向設計 ―アジャイル手法によるオブジェクト指向設計の実践(Ken Pugh/角谷 信太郎(監訳)/児島 修)
アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣(Venkat Subramaniam/Andy Hunt/木下 史彦/角谷 信太郎)
JavaからRubyへ ―マネージャのための実践移行ガイド(Bruce A. Tate/角谷 信太郎)










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○ かくたに [ほんとだ。リテラルで書いてる(w]
○ TrackBack [http://d.hatena.ne.jp/takubon/20050906#p1 Takubon! [開発]Rub..]
○ t-doi [XP祭り2005のトークス感動しました! ところで、novemberメソッドはリテラル以前に余計なvoidがありコン..]
○ nekop [あとreturnが無いとか。時分秒ミリ秒を初期化してないのは仕様ということで。]
○ かくたに [みんなよく見てるなあ。ありがとうございます。]