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角谷HTML化計画

「むずかしく考えることはない」と、偉そうに葉巻を振りまわしながら、トレヴィラヌスはいった。「ガリラヤの太守がじつにみごとなサファイアを持っていることは、みんなが知っている。何者かがそれを盗むつもりで、間違ってここへ入ったんだ。ヤルモリンスキーが起きていたので、泥棒は殺さざるをえなかった。どうだね、これで?」
「そのとおりかもしれません。しかし、おもしろくはないですね」と、レンロットは答えた。
J.L.ボルヘス『死とコンパス』(『伝奇集』収録)

2003-01-06(Mon) [Edit]

■1 個人的に2003年開始

連休なるおまけの日々が終わり、日常に戻ってきた。ここから2003年開始である。年頭の挨拶;今年は『コモンズ』を読んだからとか『ほしのこえ』を観たからとかC63とC64と両方行ってきたからとかいうわけではないけれど、これまで自分が生きてきた世界になんらかの形でお返しができるようになりたい、と思う。けど、それよりも前に足元のことをきちんとやんないといけないか。

■2 来月からしばらく

神保町勤務に決定。古書街をきちんと攻めてみたい。


2004-01-06(Tue) [Edit]

■1 これはガン=カタコード=カタ

Dave「達人」ThomasのCodeKatatextfile.orgにもエントリされている。 最近、システム開発の現場から遠ざかっている(ええっ?!)のと、常よりましてプログラマとしての自分の不甲斐なさに忸怩たる思いを抱いているので、今年はコード=カタで「Talk little, Karate more」*1をモットーに生きていこうと思っていたところ。これが機会となって認知度があがることで、同志(?)が増えると嬉しい。

 

*1 これ自体はAmblerタンの台詞なのだが

■2 X40に引越完了

環境構築は年内いっぱいでどうにか完了。それから約1週間が経ち、体もノートPCメインの環境に慣れてきたように感じる。あとはキーボードを101英語キーボードに換装できるようになる日を待つばかり。HDDの残り容量は約5GB。必要なソフトウェアは大体入れたと思うから、あとはデータが増えていくだけか。これでいつまで持つのかなあ。


2005-01-06(Thu) [Edit]

■1 「WORKING EFFECTIVELY WITH LEGACY CODE」日本版

日本版ではないことに注意。「SpringFrameworkを使った、LegacyCode(過去の遺物)との付き合い方」、というid:penguinsさん*1のエントリ。

Practicesとして非常に参考になる。各々に名前をつけてパターンっぽくまとめて書籍にできると思う。第一部: Narrative, 第二部: Pattern Catalog。コア・バリューは明快。テスト容易性(EoT)変更容易性(EoC)だ。

極めて実践的、ボトムアップ。貴重にして重要。Refactoring to DICon、と言ってもよいかもしれない。

*1 と、はてな市民(偽名登録)っぽく書いてみる

■2 Retrospective:2004

KEEP

  • 子守
  • アジャイルプロセスによる開発
  • Debian(sid)をThinkPad X40で常用する
  • 翻訳文書など、何かを公開する
  • どこかで発表をする
  • S2方面に関わる
  • 雑誌などに記事を書く

PROBLEM

  • 映画館に行ってない
  • 放置している技術系文書翻訳作業がいくつもある
  • レビュー作業に参加しようとして脱落した(している)ものがある
  • 算数(数学)と英語の勉強が全然できてない
  • 2004年後半は各種呑み会を欠席しがちである

TRY

  • 睡眠時間を削らずに時間管理をする
  • Rubyでなにかアプリケーションを作成する
  • Eclipseプラグインをなにか作成/公開する
  • emacs-lisp without hustleに挑戦する
  • Mavenプラグインをなにか作成/公開する
  • ハードウェアハッキング大作戦に挑戦する

2004年は家庭のPC群からWindows系OSを一掃できたことが大きな進歩(DebianとMacOS X)。

Groovyに関しては2004年で私の役割は終わったな、という感触。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

kdmsnr [keywordプラグインで、[[id:XXX]] をはてなに割り当てています。]


2009-01-06(Tue) [Edit]

■1 2008年のkakutani.comのアサマシランキング

2008年のふりかえりっぽいネタも入れつつ、恒例行事を。

2007年のkakutani.comのアサマシランキングと見比べるとあまり代わり映えしないが、2007年には1冊もランキングに入ってなかった翔泳社の書籍が2冊ランクインしている。でもこれは「翔泳社の書籍」というよりは「青木靖さんによる訳書」だな。野口さん去りし後、kakutani.com的には今後はどうかな。

いっぽうオーム社の書籍は2007年の4冊から1冊減って、2008年は3冊になってしまった。がんばれ、日本オーム社の会。では1位から順番に:

1位実装パターン(ケント・ベック/Kent Beck/永田 渉/長瀬 嘉秀/株式会社テクノロジックアート) 『実装パターン』

2008/12/08の紹介(しかも大したこと書いてない)にもかかわらず1位になった。お前らはKentBが好きすぐる。

実は私は翻訳はまだ読み終えてないのだけれど(いま8章)、これまでのところ翻訳はわりと良いかんじ。KentBっぽい語り口になっているところもあって素敵なところもちらほら。細かいところで気になることはあるけれど、細かい話なので、気が向いたらはてなグループ(こちらもよろしく)にでも書きたい。

ちなみに「訳者あとがき」によれば:

 最後に,本書は永田渉氏による翻訳であるが,今回は株式会社ピアソン・エデュケーションの新しい編集者として村田豪氏が担当し,細かく丁寧に手を入れてくれたことに感謝する.

とのこと。訳者あとがきについて言いたいことはあるけれど、それはまたいずれ。

最後に、2008年も10位にランクインしている原著の書影も紹介しておきますね。

Implementation Patterns (Addison-Wesley Signature Series (Beck))(Kent Beck)


2位アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣(Venkat Subramaniam/Andy Hunt/木下 史彦/角谷 信太郎) 『アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣』

昨年は1位。今年は僅差で2位でした。fkinoと監訳。オーム社(オーム社!)から刊行。サポートページもあります。

刷数をジリジリ増やしてもらったおかげでとはいえ、1年間で5刷まで達したのには驚いた。あと、「増刷」と日記に書いたらyomoyomoが釣れてコーヒー吹いた

2009/01/07追記

われらがジュンク堂書店池袋本店のコンピュータ書の年間ランキングで4位だそうな。すばらしいね。


3位The Ruby Programming Language(David Flanagan/Yukihiro Matz Matsumoto) 『The Ruby Programming Language』

各章の扉絵が_why画伯なことはもちろん、本サイトではあのartonが絶句した一冊としてあまりにも有名。本書は翻訳作業も進行中らしい。1.9.1RC1リリースと同じ頃に翻訳が出版されたりすると素敵だなあ。

ちなみに、ランキング的には2位と3位のあいだに越えられない売上冊数のギャップがあります。


4位Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方(Eric Sink/エリック・シンク/青木 靖) 『Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方』

受託開発をやってる身にとっても考えることのヒントはたくさんあった。その結果はまだ出せてないけど。


5位My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド(Chad Fowler/でびあんぐる) 『My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド』

3年にわたってランクインしている。2006年は5位、2007年は7位。kakutani.com推薦図書としては殿堂入りの1冊。オーム社(オーム社!)刊行。2008年はChad FowlerがRubyKaigiに遊びに来てくれたのでサインもらった。RubyKaigi2008のジュンク堂書店RubyKaigi店でも3位だった。

書籍の内容と対象読者層の広さは『アジャイルプラクティス』より売れてしかるべき一冊。ちなみに私は原著・訳書・訳書の合計3冊保有。今年も売れろ!!!


6位アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き(Esther Derby/Diana Larsen/角 征典) 『アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き』

2007年はランク外だった(ちゃんと紹介してなかったのかも)。kdmsnr翻訳、オーム社(オーム社!)刊行。

id:k3cも「今まで読んでなくて、正直、すまんかった。後悔している」と書いている。今年はもっと後悔する人たちがもっと増えればいい。


7位Scripted GUI Testing with Ruby (The Facets of Ruby Series)(Ian Dees) 『Scripted GUI Testing with Ruby』

Pragmatic Bookshelfのシリーズ。公式サイトは、 http://pragprog.com/titles/idgtr/scripted-gui-testing-with-ruby

翻訳の予定はないのかなあ。


8位BEST SOFTWARE WRITING(Joel Spolsky/青木 靖) 『BEST SOFTWARE WRITING』

おもしろかった。厚切りベーコン!!


9位10+1 No.48 特集=アルゴリズム的思考と建築(柄沢祐輔/磯崎新/伊東豊雄/フロリアン・ブッシュ/藤本壮介/ヤコブ・ファン・ライス/服部暁文/江渡浩一郎/神成淳司/松田達/桑田光平/田中浩也/松川昌平/メディア・デザイン研究所) 『10+1 No.48 (48)』

2007年は10位だった、江渡さんのインタビュー掲載誌。世界の意味を知るための一冊。

あわせて読みたい:


10位Implementation Patterns (Addison-Wesley Signature Series (Beck))(Kent Beck) 『Implementation Patterns』

2007年は3位。2008年1位の『実装パターン』の原著。


10位Clean Code: A Handbook of Agile Software Craftsmanship (Robert C. Martin Series)(Robert C. Martin) 『Clean Code: A Handbook of Agile Software Craftsmanship』

10位は2冊あって、こちらはUncle Bobの新刊。1位の『実装パターン』とあわせて読みたい1冊。


圏外からの一冊:『インターフェイス指向設計』 『インターフェイス指向設計』

自分が監訳した書籍なのに13位だった。出版前後の時期にバタバタしていてきちんと言及できずにRubyKaigi戦線に突入してしまい、色んな対応が後手後手に回ったのがよくなかった。反省。

印刷所に入稿されてからが著者(監訳だけど)の本当の仕事ははじまる。読者の手に届くようにするまでが書き手(監訳だけど)の仕事なのだ。といっても何もしなかったわけではなくて、今回は新しい試みとして、Twitterで献本を募集したり、オライリー・ジャパンの書誌情報のページをブクマしていたひと献本したりしてみたのは良かった。次回以降も機会があれば試したい :-)

ランキングでは13位だけど、いちおう増刷されてます。ただし2刷は緊急増刷だったので、サポートページの正誤表にあるバグの修正を反映できませんでした。すみません。こんな状態にもかかわらず、那須のほうで読書会を開催もらえているもよう。とてもありがたい。

2009年も素敵な書籍に出会えて、そしてアサマしくもたくさん売れるといいな。

Tags: book ranking

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