2011-07-17(Sun) RubyKaigi2011.days[1] [長年日記]
■1 RubyKaigi2011で"The Gate"という講演をしました
(写真は@iR3の撮ったものを傾き補正しました)
http://rubykaigi.org/2011/ja/schedule/details/17M09
書きはじめるとキリが無いので、自分のトークにまつわる事実を記録したpermalinkをkakutani.comに用意しておきます。
背景画像集
slideshareが直った!!
サブタイトルは札幌Ruby会議03の"There is No Spoon:Revisited"の前にかけた"This Is Your Life(Featuring Tyler Durden)"のタイラー・ダーデンの台詞から。
動画
2日前(つまり講演翌日!)にもう公開されてる!!
[17M09] The Gate from rubykaigi on Vimeo.
FAQ
- Q: なぜ靴を履かずにプレゼンテーションしているのですか?
- A: RubyKaigi2007の基調講演でDave Thomasが靴を脱いでいたからです。以来、本気でプレゼンテーションをするときは靴を脱ぐようにしています(札幌Ruby会議03での例)
あわせて観たい
トーク前の1曲
Dave Matthews Band, "When The World Ends(Oakenfold remix)"
When the world ends Collect your things You're coming with me When the world ends You tuckle up yourself with me Watch it as the stars disappear to nothing The day the world is over We'll be lying in bed I'm gonna rock you like a baby when the cities fall We will rise as the building's crumble Float there and watch it all Amidst the burning, we'll be churning You know, love will be our wings The passion rises up from the ashes When the world ends When the world ends You're gonna come with me We're going to be crazy Like a river bends We're going to float Through the criss cross of the mountains Watch them fade to nothing When the world ends You know that's what's happening now I'm going to be there with you somehow, oh... I'm going to tie you up like a baby in a carriage car Your legs won't work cause you want me so You just lie spread to the wall The love you got is surely All the love that I would ever need I'm going to take you by my side And love you tall, 'til the world ends Oh, but don't you worry about a thing No, 'cause I got you here with me Don't you worry about a Just you and me Floating through the empty, empty Just you and me Oh, graces Oh, grace Oh, when the world ends We'll be burning one When the world ends We'll be sweet makin' love Oh, you know when the world ends I'm going to take you aside and say Let's watch it fade away, fade away And the world's done Ours just begun It's done Ours just begun We're gonna dive into the emptiness We'll be swimming I'm going to walk you through the pathless roads I'm going to take you to the top of the mountain that's no longer there I'm going to take you to bed and love you, I swear Like the end is here I'm going to take you up to I'm going to take you down on you I'm going to hold you like an angel, angel I'm going to love you I'm going to love you When the world ends I'm going to hold you When the world is over We'll just be beginning...
■2 "Only different in your mind. You must unlearn what you have learned."
You must feel the Force around you. Here, between you...me...the tree...the rock...everywhere!
-- Yoda
あのRubyKaigi2007の打ち上げの2次会で話し込んでしまって帰宅するのが遅くなった私は「家族とのフォースの調和を乱してしまった」――と日記にはシレっと書いてあるけど、この晩(というか明け方)のことは今でも忘れられない出来事になった。家族。妻。夫。父。母。給与労働者。自分が生きた証。インターネットの向こう側にいる人たち。インターネットがなくても一緒にいられる人たち……。
"The Gate"でもkdmsnrのエントリを孫引きした意図は、単に業務と業務外ということだけじゃない。「ワークライフバランス」なんて言葉は何も表してない。ワークはライフだしファミリーもライフだしエゴだってライフだ。This is your life.
それから2年経った2009年。RubyKaigiが始まってから当初の3年間はひたすら運営に徹していた私に心境の変化が訪れた。これは『パターン、Wiki、XP』が生まれる過程にかかわったことの影響が大きい。本書の射程に含まれながらも語られていないRubyのことを、OOPSLA派(ただし通信制)の末席に勝手に連なってる者としてRubyKaigiにやってくるみんなに伝えたいと思った。そういう話ならば「自慢大会」のRubyKaigiで付け入る余地があるはずだという目論見もあった。そして、その切り口はテスティングになるはずであった……。
ところが実際には準備と運営で時間を食い潰してしまって、さっぱり発表準備の時間が足りず(この年って「Regional RubyKaigiのご報告」もやってるんだよなあ。どうやったんだ??)、見事に玉砕。その結果生まれたのが"Take The Red Pill"だった。
ちゃんとした下調べが間に合わず、午前6時から神保町のマクドに籠って(24時間営業してるはずのデニーズが閉まってた!!)泣きながらスライドを仕上げたこのトークのテーマは、私の"ego"についてだった。
だから私は私(たち)の成果としてRubyKaigiのことを話した。だから私は「それは相澤さんの仕事なんではないでしょうか?」とそのまま投げ返した。だから私は「『たとえば家庭が……』とご家族のことに言及しようとした瞬間に、ほんの一瞬だけどぐっと言葉に詰まった」。
(日本Rubyカンファレンスではなく)「日本Ruby会議」が始まった年、家庭のフォースが乱れた年、その年の基調講演だったDave Thomas。今年2011年、日本Ruby会議最後の年に、もう一度話をしてもらいたかったDave Thomas。その基調講演は残念ながらキャンセルになってしまった(ちなみにDaveからはこの上なく丁寧なお詫びのメールをいただいた)。
当初予定されていたけれどもぽっかり空いてしまった枠は、紆余曲折あって私が埋めることになった。もしも私がDaveの代わりにみんなへ何かを伝えるんだとしたら、つくりあげることに私もひとりのチームメンバーとして心血を注いだ「世界」が終わるのだとしたら、そのときに話すことを、私は私の家族に聞いてもらいたかった。When the world ends...
だからといって、これを「聞きにきてほしい」と家族に頼むのは少し――いやかなり怖かった。誰にも恥じることのない場をつくりあげることに貢献したという自負はあるけれども、それはこの5年間での何十何百もの「家族で一緒に過ごせなかった週末」があってのことなのだから(しかも潰した週末はRubyKaigiだけじゃない。執筆とか仕事とか他のイベントへの参加なんかもたくさんあったわけで)。……それに、心の奥底のどこかでは知っていたけれど見ないふりをしていたが――RubyKaigi2011の会期は世間一般では3連休なんだぜ。ついでに書いておくと「家族サービス」という言葉は大嫌いだ。
それでも、これは私がRubyistのみんなと建てた「門」なのだから、一番身近で大切な人たちにもくぐってもらって感じてほしかった。私が何を「たのしい」と思っているのかを。When the world ends...
「RubyKaigiに行きたくないわけじゃない。行って、実際にあなたのお友達に会ったら、あなたとうまくやっていける人たちなんて、みんな善い人に決まってるんだから、もっと家族で一緒に居てよ、って言いづらくなるじゃない――」何もかもが終わったあとに、彼女はそう言ってくれたのだった。
LUKE: I don't...I don't believe it.
YODA: That is why you fail.
■3 だいたい息子と同い年だったRubyKaigi
今年6回目だったRubyKaigiと、人生6年目の息子はだいたい同い年。
最初の日本Rubyカンファレンスの頃はまだ1歳だった彼も、
最後のRubyKaigiには「学生参加」(小学生だけど)できるまで育つ。約6年ってそういう年月なのだなあ。
どうしても、ねりぶんの大舞台にあがってみたかったらしい(舞台の裏側も見て「はんたいにうつってるー!」と感動していた)
@sora_hが「背伸びうちわ人間対おとうさんゾンビ」の写真を撮ってくれてた。ありがとう。
もし次にRubyKaigi的な何かが開催されたら、うちの息子も学生参加できる歳になってるのかなー…