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Webサイトとは「つい、うっかりの存在論」である

角谷HTML化計画

「むずかしく考えることはない」と、偉そうに葉巻を振りまわしながら、トレヴィラヌスはいった。「ガリラヤの太守がじつにみごとなサファイアを持っていることは、みんなが知っている。何者かがそれを盗むつもりで、間違ってここへ入ったんだ。ヤルモリンスキーが起きていたので、泥棒は殺さざるをえなかった。どうだね、これで?」
「そのとおりかもしれません。しかし、おもしろくはないですね」と、レンロットは答えた。
J.L.ボルヘス『死とコンパス』(『伝奇集』収録)

2007-06-11(Mon) [長年日記]

■1 オレは今、自分のなかにあった「ブロガーの壁」を越えた

——気がする。って、ブロガーじゃないけどね、便宜的に。ここはtDiaryによるWeb日記で、私はtDiaryユーザだ。

■2 もしもオレのスタンドがエコーズだったとしたら、いま、ACT.3に突入した

——気がする。

■3 RubyKaigi2007について話す前に高井さんのことを話す前にジュンク堂書店池袋本店6Fのことを話す前に、

RubyKaigi2006が終わった後に書いた文章をコピペ(reblog?)しておきます。たぶん、読まれたことない方も多いと思うので。確か、昨年のRubyKaigi2006が終わって数日してから書いた文章です。

■4 "And there's business value in fun"(reprise)

(本セクションはコピペ((助詞がおかしいバグは修正))

Ruby好きとしても知られるMartin Folwerのblikiに「ダイナミックタイピング」というエントリがあります。このエントリでFowlerは、SmalltalkやRubyでのプログラミングは楽しい、と前置きした上で:

And there's business value in fun - after all motivation is a major factor in programmer productivity.
(そして、楽しさにはビジネス価値がありますーー結局、モチベーションこそがプログラマの生産性を左右するのです。)

と述べました。以来、私は「And there's business value in fun」を勝手に自分自身のミッション・ステートメントとしてきました。今回のRubyKaigi2006への実行委員としての参加し、当日ボランティアスタッフの皆さんと一緒に仕事をした経験は、私の信条に対する確信となりました。

準備期間はもちろんですが、とりわけ当日運営では士気の高いボランティアスタッフチームに支えられました。致命的な不備や事故が起きることなく、つつがなく全てのプログラムを実施することができたのも彼らのおかげです。士気が異様に高い当日スタッフチームは、私自身の当日とりまとめとしての段取りの悪さすら、却って自律的な働きへと転化させていました。特に、会場準備と撤収の手際は異常事態と呼ぶべき鮮かさでした。昨日今日一緒に作業している人たちの生産性ではありませんでした。この場を借りて、一緒にRubyKaigi2006で働けた皆さんに感謝します。ありがとうございます。

RubyKaigi2006の公式サイトに寄せられたアンケート結果には「スタッフがボランティアとは思えないほど素晴しかった」といった嬉しいご意見がありました(もちろん厳しいお言葉もいただいています)。「ボランティア」という言葉を雇用形態、すなわち「タダ働き」と捉えればその効果は驚くべきものですが、ボランティアとはそもそも志願兵や有志のことを指すわけで、self-motivatedな士気の高い人びとのことです。ボランティアとは雇用形態である以前に、姿勢 (Attitude)である、ともいえます。

「結局、モチベーションこそがプログラマの生産性を左右するのです。」つまり、ボランティアが態度であるならば、そこには生産性の高さがビルトインされているとも考えられます。

カンファレンスも、決められた期間内に成果を出すという意味ではプロジェクトであり、「人がつくる」という意味ではソフトウェアです。言うまでもなく、運営に複数人が関わるという意味ではチームワークです。

RubyKaigi2006に関わった人たちの生産性の高さは、明かに士気の高さによるものです。では、彼らの士気の高さはどこから来たのか。 Rubyと、Rubyに関わる人と人との間のつながりに貢献したいという気持ちが、高い士気として発揮されたのだと思います。なぜ、彼らはRubyと、 Rubyに関わる人と人との間のつながりに貢献したいと思ったのか。それは、Rubyを使ったプログラミングが楽しいからだ、と私は確信しています。

「そして、楽しさにはビジネス価値があります」。今回の体験で私は自らの信条が実証されたと考えています。私の勤務先のような受託・SIを生業とする企業でのソフトウェア開発も、それが特定の期間内に成果を出すプロジェクトであり、「人がつくる」ソフトウェアであり、複数人が関わるチームワークである限り、「楽しさ」は生産性を左右する重要な要素です。その重要な要素としてのRubyは存在感を今後も強めていくと思います。今回の RubyKaigi2006でその予感と熱気を演出し、体験できたことを誇りに思います。

ここでもまた宣言しておきます。諸君、私はRubyが好きだ。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
Yuumi3 (2007-06-11(Mon) 23:53)

本当に素晴らしいカンファレンスをありがとうございました! (最近 JoJo第5話 読みました)

かくたに (2007-06-12(Tue) 01:36)

カンファレンスじゃないよ。Kaigiだよ。

Yuumi3 (2007-06-12(Tue) 10:53)

すいません、会社嫌いな私は「会議」も嫌いなもので・・・RubyKaigi という名前は好きですが・・・・

かくたに (2007-06-12(Tue) 11:04)

会議には愛がないかもしれませんが、愛があるのがKaigiです。oxford dictionaryに載せたい。「カイギ」でもいいですよ :-)


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