2005-03-18(Fri) [長年日記]
■1 『RtP』がJolt AwardsでProductivity Winnerに
第15回のJolt Awardsの結果(PDF)が発表された。我らが『RtP』こと『Refactoring to Patterns』がGeneral部門でProductivity Winnersになった。めでたい。翻訳はどーなってるんでしょうか。『PofEAA』はいよいよ(いよいよ!)出版間近っぽいですが。他シリーズの翻訳もお忘れなきよう。
ちなみにGeneral部門のJolt Winnerは『Head First Design Patterns』。パターンよりリファクタリングのほうが大事なのに……。『Head First Refactoring』は出ないのかなあ。シリーズの趣旨に適うと思うのだけれど。
他のProductivity Winnerは、副題がえらく長い『Joel on Software』(翻訳を激しく希望)と『Software Factories』(ふーん)。
いっぽうのTechnical部門は、JoltがDIへのイントロダクションな『軽快なJava』。Productivity Winnersは『Hibernate 開発者ノートシリーズ』、あとはC++の本とかEclipseガイド第2版とか。HibernateやEclipseはプロダクト部門でもJolt Awardsだったりと引き続き元気いっぱい。ギョーカイの潮流を順当に反映している。
あと、Python2.4が言語環境のProductivity Winnerになっているのが個人的に興味深い。RiteはJoltを奪れるかな?
■2 kakutani.com 障害
14:15〜20:05ぐらいまでの間、宅内ルータの障害で止まってました。その間アクセスできなかった方、ご不便をおかけしました。
■3 『達人プログラマー—ソフトウェア開発に不可欠な基礎知識』
読了。私は本シリーズに対して、余人からすれば異様な思い入れがあるように見えると思うで、割り引いていただきたいところではあるが——定性的な感想としては、風情がない。
それが顕著なのは達人スターターキットシリーズの名物コラム「Joe Asks...」。我らがジョーの質問コーナーなのだけれど、第1部(バージョン管理)の一発目の質問なんて、ジョーの質問と達人の回答がいずれも地の文になっちゃって何がなんだか。哀しい。
達人スターターキットとして客観的に致命的なのは「ソースコードの中で故意に省略した重要でない部分」が"XXX XX XX;"と表記される部分。原書では、この"XXX"の箇所は印刷の色が薄くなっており、重要な箇所が手前に浮き出るような感じになっている——のだが、翻訳では全部同じ濃さ。おーい。
第2部「9.4 テスト駆動設計」(p.268)のサンプルコードなんて、目も当てられない。せっかく良い紙を使って全体の薄さを抑えていると思われるのに、台無し。
他にもいくつか細かいバグや、「確かに原書にはそう書いてあるけどさ」的なところが見受けられるのだけれど、バグレポートを書く余裕がない。
色いろ苦言を呈してはいるが(まだまだ書き足りない)、それでも、私は日本語で読めるようになった本書を推薦せざるを得ない。「達人スターターキットとは、現代のソフトウェア開発に不可欠な基礎を扱う全3部のセット」であることは確かなので、イマドキのソフトウェア開発に携わる方がたは是非、御一読を。
この書籍の売行が今後、大変なことになっている達人プログラマーの本棚を日本語で読めるかどうかを左右したりするんですよね?
http://japanese.joelonsoftware.com/ ここで翻訳している人たちにだしてもらいたいですね。
別の出版社からPragmatic Bookshelf出たりするかも。Pickaxe2も検討中かも(このツッコミはフィクションです)。
僕、この前Niftyのとあるサービスを提供しているサーバが落ちてるんじゃないの?問い合わせしたらそのとおりだって、お礼の言葉を戴きました。うれしかったです。