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Webサイトとは「つい、うっかりの存在論」である

角谷HTML化計画

「むずかしく考えることはない」と、偉そうに葉巻を振りまわしながら、トレヴィラヌスはいった。「ガリラヤの太守がじつにみごとなサファイアを持っていることは、みんなが知っている。何者かがそれを盗むつもりで、間違ってここへ入ったんだ。ヤルモリンスキーが起きていたので、泥棒は殺さざるをえなかった。どうだね、これで?」
「そのとおりかもしれません。しかし、おもしろくはないですね」と、レンロットは答えた。
J.L.ボルヘス『死とコンパス』(『伝奇集』収録)

2009-02-13(Fri) [長年日記]

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■<%=sn number %> <%=flickr_left '3277186245' %>デブサミ2009:アート・オブ・アジャイル デベロップメント〜テストが駆動するビジネス価値〜

(あとで書く)2009/02/18追記

fkino先生最新監訳書籍、『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』(TAOAD)のレビューは別途エントリを書くつもりなので、ここではデブサミでのセッションについて。

前半はTAOADを踏まえて、実体験も交えながら(って他人事みたいだけど一緒にやったプロジェクトの話)、XP的に「行儀のよい」テストに対する向きあい方。ここまではちゃんとテストトラック。

で、驚愕の展開の後半。TAOADを媒介に、前半のテストトラック的な内容からシームレスに「飛躍」、一転して話は開発プロセストラックに。ここでもTAOADを下敷にしながらも、fkinoじしんの決意と覚悟を来場者に静かにーーしかし秘めたる熱い思いを込めて語る、心に響くすばらしいスピーチ。「XP (アジャイル) を開発者だけのものにしておくのは、もう終わりにしたい」

最初は「アジャイルごっこ」から始めたバットマン(ビギンズ!)が、ダークナイトとして再誕した(誕生日に!)瞬間に立ち会えて、しかもそれをfkino専属カメラマンとして撮影できたことを誇りに思う (撮影したときに「これは使うかな?」と思っていた写真が見事に使われていていて嬉しい)。

そして――fkinoは「私たちはあなたがアジャイル開発の『道』を極める手助けをしたい」と来場者に語っていたが、これからぼくら同僚はfkinoがアジャイル開発の『道』を極める手助けをどれだけできるだろうか?

アート・オブ・アジャイル デベロップメント ―組織を成功に導くエクストリームプログラミング (THEORY/IN/PRACTICE)(James Shore/Shane Warden/木下 史彦(監訳)/平鍋 健児(監訳)/笹井 崇司)

オリジナル・サウンドトラック ダーク・ナイト(ハンス・ジマー/ジェームズ・ニュートン・ハワード/サントラ)

バットマン ビギンズ [DVD]

おつかれさまでした!!

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■<%=sn number %> <%=flickr_left '3277193247' %><%=isbn '4839924023', '『アジャイルな見積りと計画づくり』' %>訳者サイン会

(あとで書く)2009/02/15追記

1日目に引き続いて、昼休みにオブジェクト倶楽部のコミュニティブースで『アジャイルな見積りと計画づくり』のサイン会を。一緒に訳したやっとむと、隣ではあわせて書いたい『アート・オブ・アジャイル デベロップメントの監訳者fkinoのサイン会も併催。書籍を販売してもらえるようにSEShopにお願いしたたので(翔泳社なのに!)、売れ残ったらどうしようと思っていたのですが、思っていた以上にたくさんの方々にブースへお越しいただけて嬉しかったです。また、会場販売分も完売(完売です!)できてひと安心。

デブサミ効果か、2/15はAmazonでもほぼ一日中(22時間)総合ランキングで3ケタでした。最高で643位。お買いあげいただいた皆さまありがとうございます。

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~(Mike Cohn/マイク コーン/安井 力/角谷 信太郎)

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■<%=sn number %> <%=flickr_left '3277206459' %> デブサミ2009:パネルディスカッション:テストを行うこと、テストを続けること

id:IWAKIRIid:t-wadaから夜中に突然メールが来て「あしたの13-E-7で書記やってもらえませんか」と頼まれる。この二人に頼まれて断われるわけないだろう。はいよろこんで!! ちょう眠いけど!!!! (id:m_pixyid:objectclubがんばれ)。

t-wadaと咳さん、太田@mixi(Ken)の当日の事前打ち合わせに参加して「だんだんわかってきた」んだけど、これパネルディスカッションじゃないのな。

t-wadaは最初からパネルなんか意図してなかった。タイトルに偽りありだよ。打ち合わせで「書記って何すんの?」というのを聞いてみたら、つまりこのセッションを「咳に訊け!!」にしたいみたい。なるほど。

咳さんのプレゼンって、素敵なんだけど謎めいているところも多いので、そこをt-wadaがアジャイル実践やチームづくりの立場から、Kenがテスト専門家としての立場から、咳語録をライブで引き出そうというのが狙いだった。つまり、本セッションは正しくはこうだ:

「卓人の部屋 - 第2回 ゲスト:関将俊さん」

ちなみに第1回のゲストはひがやすをさんね(私は参加してないけど)。

ここから、私のミッションは「記録を残す」ではないと理解した。ミッションはt-wadaやkenに続いて来場者が「咳に訊け!!」を実践できるようにすることのサポート。記録を取るのは、質問時に話の流れを遡れるようにするための一時記憶領域を外部化するため。本当にやるべきことは、来場者が質問しやすい雰囲気を(一言も発することなく)つくりだすことだった。ああなるほど。いつもRegional RubyKaigiのIRCでやってるやつね。了解。

といっても現場にIRCはなかったので、howmとQuickSilverのLarge Typeを使って記録しながら会場やt-wadaをイジる。結果として10人以上が質問してくれたので責務は果せたかなと思う。KKDが口火を切ってくれたのも幸いしたと思います。ありがとう。

捺印ナビリティの関係でログは非公開です。参加者しなかった皆さん、残念でした――と思ったけど、純粋な咳さんの発言ぐらいは抜粋してもよいのかしら?

来年のデブサミにも「卓人の部屋」はあるかな?

dRubyによる分散・Webプログラミング(関 将俊)


DSC_0153打ち合わせ中の咳さんが超かっこよかった

打ち合せではt-wadaやkenが「あの事(雑談とかで咳さん言っていたようなこと)をこういう切り口で聞きたいんですけど」と逐一(!)確認していくんだけど、咳さんは終始「その質問や問題設定、議論が来場者にとってどんな意味があるか」という観点から、質問の内容やスライドの文言、構成を吟味していた。超かっこいい。

角谷信太郎(友情出演)

t-wadaが直前に表紙のスライドにこうクレジットしてくれた。半分冗談なんだけど、素敵だ。30過ぎて「友情」だぜ? デブサミ2009最後のセッションに、尊敬する方々のセッションにこんな素敵なクレジットで参加できたことを光栄に思います。コンテンツ委員として有終の美を飾れました。ありがとうございます。

それにしても、卓人って名前はよくできてる。Natural Born Agilistだね。技術的卓越の人。t is for testing. t-wadaにこの名前つけたやつ天才 :-)

追記: 大事なの忘れてた。卓人はタクト。どんだけTDD Nativeなんだwww

追記:id:yojikも嫉妬したクオリティの裏側(推測)

そういえば、セッションが終わったあとにid:yojikが(質問ありがとう!)、「『オブジェクトの広場』のインタビューよりも深くて悔しかった」と言っていたけど、それもそのはずっぽい。当日の打ち合わせで咳さんに確認していたセッション当日のスライドは、事前にt-wadaとKenと岩切さんとで作戦を練ってた模様。あれは事前の仕込みの勝利ともいえるんじゃないかな。

仕込みといえば、以前にt-wadaとtakaiとJJUGで鼎談したときも、かなり入念に仕込んだ。あのときはtakai主導だったけど。私はこのときに「書影があればなんとかなる」というのを確信したのだけれど、物理的な書籍の表紙を使った高橋メソッドというスキルをお持ちの方もいるからなあ。

追記: 咳 says...

disclaimer:ログから再構成して若干文脈を補っているので、厳密に同じではありません。お仕事に直接関係しそうなものは削ってます。

「開発の仕方は『XPだったもの』」

「テストの合間にプログラミングしてる」

この2つは有名ですね。

「開発の成果物はソフトウェアとプロセス。プロセスの実行主体としてのチーム」

私が言うとWEB+DB PRESSで8ページかかるところ、咳さんにかかれば1行。

「最初に立場をはっきりさせておきたいんですけど、いわゆる開発の「楽しさ」とかは興味ないから。それが目的になったことはない。でも、プロジェクトがうまくいってることの指標にはなるかも。表情とか顔色で。目が泳いでるとか」

「だって仕事でしょ?」というのは咳フリークにはおなじみの言い回しですね。

(書籍の知識からアジャイル開発は始められるのか?という問いに対して)「本読んだたけでコードなんて書けるようにならないでしょ? それと一緒ですよ。やらないとできるようにならない。そんなのアジャイルに限った話じゃない」

テストでは品質は上がらないですよ。テストはあくまでも品質をあげるきっかけ。品質をあげるのはプログラミングです。これは大昔からそう。

(開発担当とテスト担当とで部門を分かれがちな状況について)「なんか一部の人達には専門性が高いことから『自分たちの領域』みたいな意識があるみたいだけど、あれは責任領域をきめてるんじゃなくて「無責任領域」を決めているだけじゃないの? あれは愚痴なの? 製品の問題なんだったら直接言ってよ。直すから!」

(信頼度成長曲線について)「あんなので信頼度は成長してないよ。ぜんぜん」

(ほんとうのリスクベースのテストについて)「テストしないものを決めてるのかも」

t-wadaが会場には知らない人がいるかもと配慮して「ちなみにRWikiというのは?」と訊いたところ:

「説明していいの? その話、長くなるよww なので、皆さんぼくの本を買って、調べていただきたい!!」

「ストーリーとバグの区別がわからない。顧客の欲しいものといまあるものとが違えば、それは同じもの。バグの種類とかどうでもいいよ。」

「開発はリリースまでにどれだけ理想に近づけるかの挑戦だから」

「どこかに計画があって、それに対するバグを管理してるわけじゃなくて、ストーリーが計画なわけ」

「プロジェクトの中心にストーリーがある、という状態になっているのが大事で、うちの場合はそれがWikiになってる」

「優先順位はどうやって決めるんでしょうか?全員で?」という質問に対して:

「プロダクトオーナーが「じゃあ、何をやめればその機能はできるの?」と言ってくるので「これやめたらできます」って答えてる」

「RWikiは偶然ぼくが作者なので、テストの優先順位を調整する機能が特別に付いてます」

「自動テストができたとすると、そのぶん手が空くんだから、もっと手でさわればいいじゃん」

(テストのやめどきは?と訊かれて)「リリースしにいく係りの人が製品をぜんぶさわってるので、その人に安心して渡せるかどうか」

t-wadaは来場者に「咳さんから『思考停止しないこと』というのがどういうことなのかを感じ取ってください」と伝えていました。

あと、太田さんの「ぼくが実装したら3日ですね。実際3日でした」というのもかっこよかった。どういう文脈だったかは自粛します。


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