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角谷HTML化計画

「むずかしく考えることはない」と、偉そうに葉巻を振りまわしながら、トレヴィラヌスはいった。「ガリラヤの太守がじつにみごとなサファイアを持っていることは、みんなが知っている。何者かがそれを盗むつもりで、間違ってここへ入ったんだ。ヤルモリンスキーが起きていたので、泥棒は殺さざるをえなかった。どうだね、これで?」
「そのとおりかもしれません。しかし、おもしろくはないですね」と、レンロットは答えた。
J.L.ボルヘス『死とコンパス』(『伝奇集』収録)

2011-02-03(Thu) [長年日記]

■1 翻訳してる人がいるなら手伝いたいから連絡くださいシリーズ

すでにカミングアウトしているように、いまは"The Agile Samurai"の翻訳作業があったり、他にもあれやこれやそれやがあるので余力がなく、カッとなってガーッとやるんじゃなくて、きちんとした品質のものを届けられるといいなあと思っているものが2つあるから書いとこ(TwitterにpostしたらfavとかRTしてもらえたので、需要あるのかもしれないなあと思って)。

"Agile @ 10" on PragPub—February 2011

by Andy Hunt, Kent Beck, Ron Jeffries, Jon Kern, Ken Schwaber, James Grenning, Arie van Bennekum, Stephen J. Mellor, Ward Cunningham, and Dave Thomas

ものすごい洞察が含まれているというわけでもないんだけど、感慨ぶかい記事。アジャイルマニフェスト10周年(ついに公式日本語訳が!)。

"Growing Object-Oriented Software Guided by Tests"

mockobjects guysが書いたモダンなTDDの書籍。Foreword by Kent Beck(というかKentBシグネチャシリーズ)。

Ward CunninghamのPraise for the Bookがヤバイ。"The authors of this book have lead a revolution in the craft of programming by controlling the environment in which software grows."(強調引用者)

TDDやアジャイル開発にまつわる名言満載なんだよなあ。フルスクラッチで訳す根性が無いんだけど、信頼のおけるチームが翻訳してくれないかしら。訳文レビューとか参加したい!!

きちんとした品質とか書くとエラそうだけど、たとえば「Ruby『出身』」みたいな訳されかたは明らかに残念だと思ってます*1

ああそうだ。無料でWebに公開されてるpragpubはともかくハイエンドな技術書(とかいうと偉そうだけど、「すぐできるJava」的な書籍に比べれば相対的にハイエンドという程度の意味合い)の翻訳出版市場ってなんかもうアレな感じみたいだから、達人出版会でβ版で翻訳しながらフィードバックもらって育てていくとかやればいいんじゃないか。「電子書籍で可能になる、IT専門書翻訳の新しい形態(id:wayaguchi)」みたいなの。価格は原書より高くていいよ。翻訳は付加価値ということで。英語を読める情報強者の皆さんはKindleで原書を読めば安くあがるわけだし。

The Agile Samurai: How Agile Masters Deliver Great Software (Pragmatic Programmers)
Jonathan Rasmusson
Pragmatic Bookshelf
¥ 2,227

Growing Object-Oriented Software, Guided by Tests (Addison-Wesley Signature Series (Beck))
Steve Freeman/Nat Pryce
Addison-Wesley Professional
¥ 2,794

The Well-Grounded Rubyist
David A. Black
Manning Pubns Co
¥ 3,079

02/05 00:35 追記

「つぶやき」的なtweetに絡むとか大人気ないけど「どういうことなんだろう」って書かれているので少しだけ補足します。

翻訳をしたいという心意気は良いことだと信じているのだけれど、「英語を読める情報強者の皆さん」というのはどういうことなんだろう。情報[強弱]者という "表現" が好きじゃないせいか、原書にあたろうという姿勢が否定されている感じがする… http://t.co/kKJDsI3 2011-02-04 12:17:07 +0900 via Tweet Button

原著にあたる姿勢を否定してるつもりは毛頭ありません。自分自身が翻訳をきっかけに原著にあたるようになった人間ですし。むしろ、訳書の価格をもっと上げちゃえばいんじゃないのと思ってます。現状は、原著も訳書も大した価格差は無いというか訳書のほうが安かったりすることも多いので。

「高いから仕方ないので頑張って英語で原著を読もう」("情報強者"の皆さん)とか「高いけど英語読めないから仕方ないので翻訳書を買おう」("情報弱者"の皆さん)みたいな感じで、英語ができたほうが書籍代が安く済む、という誘導をしてもいいんじゃないかなあと思ってます。むしろ原著にあたる姿勢を推進したい!!

*1 当時、直したい旨を表明したけど見事Rejectされた。かといって今から直す気力はもうないけど……。

本日のツッコミ(全6件) [ツッコミを入れる]
kdmsnr (2011-02-03(Thu) 23:32)

なんだろう。「Rubyの方から来ました」みたいな?

かくたに (2011-02-03(Thu) 23:35)

タイトルは別にあれでもいいんですけど、なんか訳文が全体的に生硬で残念だなあと。

かわにし (2011-02-03(Thu) 23:47)

"Growing Object-Oriented Software Guided by Tests" 自分も手伝いたいっす。

かくたに (2011-02-04(Fri) 06:43)

じゃあまずは、そもそも翻訳してる人をさがしだすところから手伝ってください :<

eitoball (2011-02-05(Sat) 10:22)

Agile@10のほうをやってます

かくたに (2011-02-05(Sat) 11:56)

連絡ktkr!


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