2005-04-21(Thu) [長年日記]
■1 『エンタープライズアプリケーションアーキテクチャパターン』
献本いただきました。ありがとうございます。カバーに刷られているタイトルが3D(?)になっている。エンボス加工ってやつ? ちなみにオビはtypoバージョン。一般発売分は、typoが修正されているらしいので、レアものだ(って、バグなわけだが。バグにプレミアはつかないよな)。
さて。本日到着したところで、中身はまだ少ししか読めていないのと、ちょっと時間が足りないので、軽めに。
パターン名は基本的に原著パターン名をそのままカタカナで、区切り文字無しで並べたもの。ユニットオブワーク、マネー、ツーステップビューなどなど。なんか競走馬の名前みたいだが、一貫性があれば、それはそれでひとつの見識だし、原著のパターン名との対応もわかるのだが……残念。一貫性はないし、本文中に原著パターン名との対応もない。顕著なのは、
- 「軽オフラインロック(Optimistic Offline Lock)」
- 「重オフラインロック(Pessimistic Offline Lock)」
- 「緩ロック(Coarse Grained Lock)」(!!)
の3つ。ここから原著パターン名は思いつかない。ちなみにというか「緩ロック」って何て読むのだろうか。「かんろっく?」
また、Data Transfer Objectを「データ変換オブジェクト」としちゃったのは、ちょっとやりすぎな印象——と書いていて気づいたのだが、p.428では「データ転送オブジェクト」と表記が揺れている。「データ転送オブジェクト」のほうが誤解が少ないだろうし、無難だと思う。
共通のボキャブラリを構築するのもパターンの重要な部分だ。
——マーチン・ファウラー『エンタープライズアプリケーションアーキテクチャパターン』(xiii)
名前重要。
PofEAAのパターンカタログ(邦訳版)
これだけで終ってしまうとただの愚痴なので、邦訳パターン名と原著パターン名との対応をkdさんとこのWikiにまとめてみた。
PofEAA読書会メーリングリスト
ついでに告知。準備はあまり進んでないけれど、5月の連休明け以降に、再開させたい。興味のある方はメーリングリストへの参加をお願いします。
「データ変換オブジェクト」これは、言い得て妙だな。もしかしたら名訳かも。でも「転送が無難」には同意。
pass by value, pass by referenceはなんと訳されていますか?<br>出てこないかしら…
「ゆるロック」キボンヌ。ちょっと「ゆらゆら帝国」を思い出した。<br>普通「悲観的ロック」「楽観的ロック」で通用してると思うんだけど、"Offline" は殊更強調する必要があったのだろうか?
普通のロックとは異なる話題だから「オフライン」ロックなのです(原著の話)。