«前の日記(2004-06-09(Wed)) 最新 次の日記(2004-06-11(Fri))» 編集
RSS feed
Webサイトとは「つい、うっかりの存在論」である

角谷HTML化計画

「むずかしく考えることはない」と、偉そうに葉巻を振りまわしながら、トレヴィラヌスはいった。「ガリラヤの太守がじつにみごとなサファイアを持っていることは、みんなが知っている。何者かがそれを盗むつもりで、間違ってここへ入ったんだ。ヤルモリンスキーが起きていたので、泥棒は殺さざるをえなかった。どうだね、これで?」
「そのとおりかもしれません。しかし、おもしろくはないですね」と、レンロットは答えた。
J.L.ボルヘス『死とコンパス』(『伝奇集』収録)

2004-06-10(Thu) [長年日記]

■1ダイコン時代の設計手法 - ロジックをどこに置くのか

酔っ払ったときに私がtakaiさんといつも話していたのはこの話題。

そうはいっても「Tell, Don't Ask」的な手法を取り入れる余地はあると思う。が、私にはサービスに置くべきロジックと、エンティティに置くべきロジックの判断基準も示せなければ、各々のロジックを示す名前もつけられないので、言葉が続かない。時間ができたら少し他人の褌で独り相撲をとろうかな、とは思っているけれど。

私のことはどうでもよくて、ひがさんによるこれら「実践ダイコンシステムデザイン」、というか「Expert One-to-One DICon Design and Development」(まさにOne-to-One!)のシリーズは必読。

■2 Safariに入ったらmanningが充実する罠。

MEAP*1なんてのも始められてしまった。Amazonでの購入すらためらわれる。Safariで書籍費削減の野望は潰えてしまうのか……。

Manningのサイトでのラインナップをみると、イキオイがあるなー、と思う。

Safariトークンの謎を解く

わーい。貧乏性なので、ビビってまだひとつも使ってなかったので、助かりました。規約ちゃんと読め、って感じだが。

*1 Manning's Early Access Program。出版前に読めたり色いろあるようだ。

■3ダイコン時代の設計手法 - 例外処理

otsukaさんのところに寝ぼけたコメントをなすりつけたりしているので、以下も寝言のようなものだが:

折りしもIBM dwにも「Java theory and practice: The exceptions debate」が出ていたところ(「Javaの理論と実践」シリーズなのでいずれ翻訳されるでしょう)。検査例外派、実行時例外派、中庸派と整理されている。

私は「catch禁止。間違いない」とまでは踏み切れない、中庸派という名の日和見主義者なので、catchしたうえで機能としてやることがある(再実行とか、プレゼンテーションに特殊な表示をさせたいとか。項目40*1参照)のなら、検査例外を使いたい。といっても、この場合は注意深く設計する必要があって、うっかりすると項目39*2違反になってしまう。状況によっては設計者間での意思疎通のコストもバカにならない(これは分岐か?例外か?)。つまり、「よほど例外の設計に自信のない限り」のケースなわけだ。道理で。火傷したこと一度ならず。

ちなみに上記の「項目:nn」は『Effective Java』。イマドキはこのあたりに関しても、もっと良い(というのは日本語が読みやすい)書籍はあるのかな?

*1 項目40: 回復可能な状態にはチェックされる例外を、プログラミングエラーには実行時例外を使用する

*2 項目39: 例外的状態にだけ例外を使用する


«前の日記(2004-06-09(Wed)) 最新 次の日記(2004-06-11(Fri))» 編集
RSS feed