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Webサイトとは「つい、うっかりの存在論」である

角谷HTML化計画

「むずかしく考えることはない」と、偉そうに葉巻を振りまわしながら、トレヴィラヌスはいった。「ガリラヤの太守がじつにみごとなサファイアを持っていることは、みんなが知っている。何者かがそれを盗むつもりで、間違ってここへ入ったんだ。ヤルモリンスキーが起きていたので、泥棒は殺さざるをえなかった。どうだね、これで?」
「そのとおりかもしれません。しかし、おもしろくはないですね」と、レンロットは答えた。
J.L.ボルヘス『死とコンパス』(『伝奇集』収録)

2004-01-26(Mon) [長年日記]

■1Kenn's Clairvoyance:Webサービスのリアリティ

所どころ付いていけないところもあるが、概ね自分のWebサービスに感じる思いを代弁してくれていると思う。

  • (システム間)インターフェースの標準化という意義はある
  • SOAはbuzz word
  • 「Webサービス」という名前が悪い

Webサービスがローエンド市場型の破壊的イノベーションであるかどうかは、私には判断不能(『イノベーションへの解』は一応読んだ)。で、実際のところどうなんですかね。@ITの調査を見ると、現状はローエンド市場ですらない感じ。そして本文中には、3ヶ月かけた緊急提言のアオリが紛れ込んでいたり。

■2 O/Rマッピング

いつも通り、自分の考えを巧くまとめられないのでダラダラと書く。『Web+DB Press』でお馴染み(?)の羽生章洋さんの日記([RDBMS]カテゴリで検索)。示唆に富む。

Webアプリって5層じゃんどうして「マッピング」に焦点を合わせないのか、それぞれのレイヤではそれぞれのレイヤらしいつくりになるようにすべき。OをRに押し付けるなシステムはバンドだ、と。なるほど。

羽生さんはSeaserのSqletがお気に入りのようだ。どんなだっけか……。ぐぐってもキャッシュしか出てこないが……ふーむ、ふむ。XMLにSQLと、Javaオブジェクトへのマッピングとを書くのかな。私はSQLをXMLに書いて実装から分離、コンフィギュレーション可能にすることの嬉しさが実感できない。Jakarta Commons DbUtilsがその手軽さゆえに、評価も高いことは理解できるのだが。

O/RマッピングはSQLのリプレイスではないことは「ドメインロジックとSQL」で明らかにされた。大事なのは解決すべき問題の文脈というか状況で、それに応じた適切な道具を選びましょう、ということなのだとは思う。O/Rマッピングに関する議論は、その道具を適用している状況がどうなっていて、この道具はそこに適合しているか否か。それが大事だし、そこが無いと話も噛み合わない。

現存するツールの選択を、状況に対するトレードオフで整理してくれる記事はないものか……。


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