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Webサイトとは「つい、うっかりの存在論」である

角谷HTML化計画

「むずかしく考えることはない」と、偉そうに葉巻を振りまわしながら、トレヴィラヌスはいった。「ガリラヤの太守がじつにみごとなサファイアを持っていることは、みんなが知っている。何者かがそれを盗むつもりで、間違ってここへ入ったんだ。ヤルモリンスキーが起きていたので、泥棒は殺さざるをえなかった。どうだね、これで?」
「そのとおりかもしれません。しかし、おもしろくはないですね」と、レンロットは答えた。
J.L.ボルヘス『死とコンパス』(『伝奇集』収録)

2003-03-08(Sat) [長年日記]

■1 書く、それがすべて

考察が甘かろうが印象批評だろうがオチがなかろうがヒネリがなかろうが途中で終わっていようが、ともあれ書く。それしかない。日記に価値や評価を求めてはいけない。それが欲しければきちんと他の場所で書くべし。制限時間一杯で書けるところまで。それがすべて、だ。

Tags: 日記

■2 『さまよう魂たち』@VHS

『バッド・テイスト』から続く『ブレインデッド』に続く三部作で世に出でて、『乙女の祈り』で国際的な評価を獲得、『さまよう魂たち』でハリウッドに殴りこんだが、興行的に失敗、沈没するも、『指輪物語映画化三部作』でジージャン着たまま世界の頂点に立つ、というのがピーター・ジャクソンのリニアな(『コリン・マッケンジー以下略』とかを織り込まない)バイオグラフィ(たぶん)。なので、あまり期待は持たずにテープを回した。

冒頭1分、ロバート・ゼメキスPRESENTS、マイケル・J・フォックス主演の1996年作品、といったあたりでどんな映画か大体見当はつきそうなのだけれど、音楽はダニー・エルフマン。で、実際のところどんな映画かというと、そんな映画だった。ゼメキス製作・マイケルJ主演なんだけれど、音楽はダニー・エルフマンであるような、そんな映画。説明になってないとは思うのだけれど、そんな映画だ。とはいえ、脚本を含めつくりは丁寧。冒頭からエンドまできっちり観客を飽きさせないで観せる。死神なんて怖くない!

ピーター・ジャクソンって人はこの頃には既に過剰の人から「バランス感覚」の人に移行済だったのだなあ、と改めて確信。今となってはこの死神もナズグルにしか見えないな。

Tags: 映画

■3 『戦場のピアニスト』@錦糸町楽天地

これもまたひとつのso it goes、な物語、なのか。それでヨイのか? 善いとか悪いとかいうことではないのだろう。ここに「歴史に関われなかった者の諦念」はあるのかなあ。私には読み取りきれず。とはいえ、フツーに人の心の機微がちゃんとある映画は(映画に限らないけど)いいね、と思えるようになっている自分に気づいた。

Tags: 映画

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