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角谷HTML化計画

「むずかしく考えることはない」と、偉そうに葉巻を振りまわしながら、トレヴィラヌスはいった。「ガリラヤの太守がじつにみごとなサファイアを持っていることは、みんなが知っている。何者かがそれを盗むつもりで、間違ってここへ入ったんだ。ヤルモリンスキーが起きていたので、泥棒は殺さざるをえなかった。どうだね、これで?」
「そのとおりかもしれません。しかし、おもしろくはないですね」と、レンロットは答えた。
J.L.ボルヘス『死とコンパス』(『伝奇集』収録)

2003-05-11(Sun) [Edit]

■1 『Lilo & Stitch』

瞳が大きく黒目がちで、口が裂けていて鉤爪があり、四つんばいで歩く。そんなスティッチの姿は──かめに似てるね。とかめくんが思うかどうかはわからないが、『リロ&スティッチ』公開前の我が家ではスティッチは何よりもカメに似ているということでフィーバーしたのだった。……で。いつの間にやら妻がすっかりハマってしまい、劇場に4回足を運んでいたりする。英語版DVDの存在を教えたならば、即答で調達せよとの指示が下されたので先日発注したのが到着。

本作は日本での予告は「孤独な少女リロ(ハワイ在住)と、彼女のもとにやってきた宇宙からのオトモダチ、スティッチとの心の交流を描く」みたいなところが前面に来ていたのだが、米国版の劇場予告編は、ディズニー映画の王道とは少し違ったこの作品のテイストをストレートに出していて面白い。

スティッチは、『美女と野獣』のダンスホールのシャンデリアを破壊し、アラジンと魔法の絨毯に乗っているジャスミン姫のを宇宙船でナンパして連れ去り、歌っているリトル・マーメイドをサーフィンで妨害、プライドロックではラフィキにシンバの代わりに抱えあげられ、独り雄叫びをあげる。

スティッチのやりたい放題ぶりが、米国のお子様たちにも当然のようにウケたのか、単なる商売なのか、2003年夏にはTVシリーズになるのか新作ができる*1らしく、妻はいまから鼻息が荒い。

Tags: DVD

*1 たぶん米国でもハナからセルDVD/ビデオ市場狙いなのだろう。ちゃんとDVDにその告知が入っている。

■2 『JBoss入門 オープンソースJava・EJB』

6/13発売予定。3,880円。技評からだそうな。技評も近頃J2EE関連で頑張っている印象。Miki氏手づから書かれるとなれば、洋書の入門書は購入不要になりそうで期待。

概要

うおっ。これはすごい。もう、6/13までJBossのことを調べるのは一旦止めてしまおう。一刻も早く入手するにはAmazonの配送だと微妙に不安なので、書泉あたりのフライング販売を狙うか。

Tags: 書籍

■3 HikiFarm

参考にしようっと。

Tags: Hiki

■4 DNSがオカシイような気がする

サイトによって、繋がったり繋がらなかったりしてイライラする日曜深夜の午前零時。調べものができない。どうしたSo-net。

Tags: 電網

2007-05-11(Fri) [Edit]

■1 Martin Fowler シグネチャシリーズで進む世代交代と、その底知れなさ

xUnit Test Patterns: Refactoring Test Code (Addison-Wesley Signature Series (Fowler))(Gerard Meszaros) 『xUnit Test Patterns』

『xUnit Test Patterns』はガチ。xUnit Patterns.comの中の人、Gerard Meszarosによる944ページの大著。当初の予定ページ数は確か450ページぐらいだったはず。

現在Amazonでは(.co.jpはもちろん.comでも)出荷されてなさそうなのになぜかSafariにある。2スロットも当然。これはすごい。すごすぎる。早くもJolt Awards Finalistsの呼び声!!——って、言ってるのは私ですが。

本書は、きちんとした技術翻訳をできる人が翻訳すべき。めでたく邦訳されたは良いものの、Narrativeパートの日本語が崩壊していたり(TDDを日常的に使っていない方は本書の翻訳/監訳は遠慮してください)、Pattern Catalogのパターン名が定訳を無視していたり、発音しづらい妙な日本語になったり(おおお、バベルの塔が!!)、といったことは全力で阻止されたし。そのような仕事は日本におけるTDD理解と文化の破壊行為であると、僭越ながら警告しておきたい。

そもそも「分厚い書籍は売れない」のでスルー、ということであれば(名著『Enterprise Integration Patterns』が邦訳されなかったのはその厚さのためだと聞いた)、PatternsのパートとNarratives/Test Smellsのパートとの2分冊にするとか。3分冊でも4分冊でもいいや。とにかく邦訳を出版して欲しいと強く願う。

本書で一点だけ気になっているのは、MFシグネチャシリーズらしからぬ副題。"Refactoring Test Code"という副題は、気持ちはわかるが誤解を招きかねないかも。Refactoringとは"Improving the Design of Existing Code with testing"であり、Refactoringの担い手は人間であるということを考慮すれば、この副題でも何ら問題はないのだけれど。

というのも、本書はテストコードを上手く書けるようになるための考え方と語彙を提供しているが、それは単なるテストコードの設計パターンだけに留まらないからだ。実際にテストコードを書くチームの仕事の取り組み方のパターンまでをも射程に入れている。その志たるやヨシ!!


Continuous Integration: Improving Software Quality and Reducing Risk (Addison-Wesley Signature Series (Fowler))(Paul Matyas, Steve Glover, Andrew Duvall) 『Continuous Integration』

シレっと言及されているのをbliki_jaで知った。継続的インテグレーション単独書籍とはワクワクするね。こういった書籍を大御所ではない書き手が送りだしていっているということは、海の向こうではアジャイル実践者の「世代交代」が始まってるんだな。文化が伝承されていくって素晴しいな。日本ではどうだろう?


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