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Webサイトとは「つい、うっかりの存在論」である

角谷HTML化計画

「むずかしく考えることはない」と、偉そうに葉巻を振りまわしながら、トレヴィラヌスはいった。「ガリラヤの太守がじつにみごとなサファイアを持っていることは、みんなが知っている。何者かがそれを盗むつもりで、間違ってここへ入ったんだ。ヤルモリンスキーが起きていたので、泥棒は殺さざるをえなかった。どうだね、これで?」
「そのとおりかもしれません。しかし、おもしろくはないですね」と、レンロットは答えた。
J.L.ボルヘス『死とコンパス』(『伝奇集』収録)

2005-10-20(Thu) [長年日記]

■1 椰子 出棺

今日は友引なので告別式ができないとのこと。一族の——門中の、と言うべきか——習俗に詳しい方がたは皆、鬼籍に入ってしまっており、葬儀にまつわる風習がわからなくなっているらしい。風習コンサルタントみたいな人を呼んでいる。色んな職業があるのだなあ。出棺にあたって様ざまなアドバイスをしている。

先に逝った親族に渡す「お土産」を持っていってもらうというのは先祖重要な沖縄だなあ、という印象を受けた。齢80ぐらいにだと、あちらへ旅立つのも「お祝い」の一種だそうで、死装束は留袖。「道中」の休憩用のお茶とタバコの包みをつくるのを手伝う。しかし、出棺時にお経をあげに来たお坊さんはフツウに浄土真宗。

具志川の、海を望む火葬場で祖母とお別れ。風が強かった。少し遠くに見えるエメラルドっぽい色の海に立つ白波が印象に残っている。おばあちゃん、さようなら。

家に戻ってからは告別式の案内を新聞に出す段取り。実妹が巻き込まれていた。


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