2005-04-30(Sat) [長年日記]
■1 『恋するプログラム—Rubyでつくる人工無脳』
カバーが「Ruby♥」となっていてステキだ。プログラムにさほど親しんでいない人向けに、人工無脳をつくる「手段」としてRubyを紹介。あくまでRubyも手段でしかないので、記述は簡潔だけれど、本文だけでなくコラムでのフォローもポイントが押さえてあってわかりやすい。本文にもさりげなく遊びゴコロがまぶしてあって、バランス感覚を感じる。
単純なテキストベースのものからGUI、応答のバリエーションと続き、最後はSOAPでググる、という展開も自然で興味深く、オブジェクト設計についても、専門用語は一切でてこないけれど、SRP(単一責任原則)やOCP(開放/閉鎖原則)を満たすような誘導がしてある。素晴らしい。
書籍の概要に:
手法を羅列しただけのものにならないよう、とくに「なぜそう作るのか?」ということを詳しく解説します。「やりたいこと」から実装への道筋を理解できれば自分なりに改良し、アイディアを試してみることも容易になるでしょう。
とある通りの内容だと思う。
職業プログラマには食い足りないところもあると思うけれど、私のようなヘタレには楽しめた。
著者の秋山さんは亡くなられているそうだ。Ruby界にとって貴重な人がまた一人いなくなってしまった。残念だ。