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Webサイトとは「つい、うっかりの存在論」である

角谷HTML化計画

「むずかしく考えることはない」と、偉そうに葉巻を振りまわしながら、トレヴィラヌスはいった。「ガリラヤの太守がじつにみごとなサファイアを持っていることは、みんなが知っている。何者かがそれを盗むつもりで、間違ってここへ入ったんだ。ヤルモリンスキーが起きていたので、泥棒は殺さざるをえなかった。どうだね、これで?」
「そのとおりかもしれません。しかし、おもしろくはないですね」と、レンロットは答えた。
J.L.ボルヘス『死とコンパス』(『伝奇集』収録)

2008-07-01(Tue) [長年日記]

■1 EM_ZERO 『EM ZERO』はじまったな

『EM ZERO』は「エンジニア向けのフリーペーパー」だそう。gihyo.jpのエンジニアマインドのページとの関係や内部の事情は知らない(知りたいわけでもない。念のため)のだけれども、これはイイ。すごくいい。

編集長の野口さんによる「創刊のことば」を引用しておこう:

EM ZEROはソフトウェア開発のあり方をゼロから考える新しいメディアです。人と技術に関するテーマを中心に、ソフトウェア開発の未来を切り開くヒントをゼロから探っていきます。また、作り手と読み手の関係を極限までシンプルに考え、ゼロ円、つまりフリーで提供しています。 EMにはいろいろな意味を込めています。エンジニアのE、エレクトロニックのE、エモーションのE。マインドのM、ミッションのM、メイドのM。一人ひとりの皆さんが想像していろいろな言葉を当てはめたり組み合わせたりしてください。いろいろな言葉が当てはまるような懐の深い誌面作りを心がけていきますので、ご支援ご協力よろしくお願い申し上げます。

なんだか執筆陣が偏ってるような気もするけれど、そこは創刊号だし。「内輪ノリに過ぎる」と断じるのは簡単だけど、こういう感極まった行動を私は尊敬する者だ。まあ、私じしん「内輪ノリに過ぎる」と断じられるイベントの運営にも携わっているわけだし。継続しながら新しい展開や方向性がでてくるといいな。そのためには、なんとか継続できる仕組みを確立してほしい。

『EM ZERO』は、発行元のマナスリンクからPDFを丸ごとダウンロードできるけれども、これは是非、印刷された実物(フルカラー!)を手に取ってもらいたい。どこに行けば実物を手に取れるのかサイトで事前に告知しないのかなあ。

個人的には、海外の技術雑誌って――といってもそんなに知らなくて、職場で定期購読してるDDJぐらいだけど――、あまりよくない紙質のものをステープラー留めて広告満載で50p〜100p以内、とかだったりする(カラーページもある)。なので、そういうクオリティで十分じゃないかと思ったんだけど、野口さん曰く「無料だからこそ高品質にこだわりたい」とのこと。なるほど。

こういう試みは個人的には是非とも応援したい(私は寄稿できません。念のため)。広告出稿も受けつけているそうな。「企業、団体、個人は問いません」だそう。個人でもいいんだw


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