「むずかしく考えることはない」と、偉そうに葉巻を振りまわしながら、トレヴィラヌスはいった。「ガリラヤの太守がじつにみごとなサファイアを持っていることは、みんなが知っている。何者かがそれを盗むつもりで、間違ってここへ入ったんだ。ヤルモリンスキーが起きていたので、泥棒は殺さざるをえなかった。どうだね、これで?」「そのとおりかもしれません。しかし、おもしろくはないですね」と、レンロットは答えた。 J.L.ボルヘス『死とコンパス』(『伝奇集』収録)
拝啓大友センセイ。大友センセイがこのプロジェクトを発表してから、今日この日までに私は大学を留年したもののどうにか就職・上京し、映画秘宝ライターから落ちこぼれ、結婚し、2回の引越を経て会社を変え、いまや程なくして父親になろうとしています。
センセイ。私の待ち焦がれていたスチームパンクがこれなのでしょうか。確かにスチームではありましたけれど……。
ルーシー流のレイ・パーク対決だけを楽しみにしていた身にとっては辛すぎる一作であった。