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Webサイトとは「つい、うっかりの存在論」である

角谷HTML化計画

「むずかしく考えることはない」と、偉そうに葉巻を振りまわしながら、トレヴィラヌスはいった。「ガリラヤの太守がじつにみごとなサファイアを持っていることは、みんなが知っている。何者かがそれを盗むつもりで、間違ってここへ入ったんだ。ヤルモリンスキーが起きていたので、泥棒は殺さざるをえなかった。どうだね、これで?」
「そのとおりかもしれません。しかし、おもしろくはないですね」と、レンロットは答えた。
J.L.ボルヘス『死とコンパス』(『伝奇集』収録)

2007-03-27(Tue) [長年日記]

■1 ハイカラ・ガール(capsule) シミュラークル的存在としての中田ヤスタカ

artonさんとこに『ハイカラ・ガール』が貼ってあったので、禁を破って久々に聞いてしまった。この陽気で聴くのは危険だ。

『 ハイカラ・ガール』は私には、東京に出てきた3月の終わりの陽光の差す、カーテンもまだ付けていない、家財道具も何ひとつないワンルームマンションガランとした部屋を思い起こさせる。なにかが起こりそうな予感。でもまだ何も、何も起こっていない。独り。ただただ暖かい空気だけがそこにある。

Collection & Copy - capsule / FRUITS CLiPPER

capsuleは、かっぺの作る、かっぺのための音楽だ。

日本中に拡がるFrancfranc的な「田舎の人の考えるおしゃれ」を具体化したような音楽だ。

薄いカルピスだ。

capsuleには何の批評性も、実験も、考えもない。

どこまでも能天気に先人の上辺だけをコピーする、くるくるパーな音楽だ。

記憶に新しい近過去の流行からコピーしてくる点も、怒りに近い恥ずかしさを感じる。

フェイクなのか。リアルなのか。あるいはシミュラークル? ハイパーリアル? ああ、そうかもね。

レーザー・ビーム。俺に向けて照射するのは、やめてくれ。ディス・コ・コ・コ。

■2 索引づくり、訳者作業完了

むつかしい。あまり気の利いた索引にできなかった……というか再校を読んでると本文も全部やり直したい。でも……これが実力なのよね。『On Lisp』を読むのは、印刷所に入稿されて、取り返しがつかなくなってからにすべきだった。ともあれ、これで訳者としての作業はおしまい。なんとか「2007年春刊行」というデブサミで配ったチラシのスケジュールは(大過がなければ)守れそう。4月は春だよね。

Tags: java2ruby
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]
安田 (2007-03-28(Wed) 10:28)

一仕事終わってよかったですね。これで、気兼ねせず電話できる??こないだ北田にいい本紹介してくれてありがとな。


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